マーケットトレンド の 米国の電力 産業
市場を支配する火力発電
- 従来の火力発電は、石炭、天然ガス、石油などさまざまなエネルギー源によって発電されている。石炭はアメリカ(米国)において第3位のエネルギー源であり、2020年に発電される電力の約19%は石炭火力発電所によるものである。
- 従来の火力発電のさまざまな発電源のうち、エネルギーの大半は天然ガスによるものであった。2020年には、天然ガスは従来型火力発電の約40%に寄与している。
- 米国エネルギー情報局によると、2022年から2025年の間に、米国では27.3ギガワット(GW)の天然ガス火力発電容量が稼動する予定であり、この容量追加により、現在の容量(2021年8月時点で489.1GW)は6%増加することになる。
- 2021年8月現在、テキサス州の天然ガス火力発電容量は7,070万kWで、2022年から2025年にかけてさらに280万kWの容量追加が計画されている。
- さらに、独立系発電事業者C4GTは、2022年末までにバージニア州にある容量106万kWのチャールズ・シティ複合火力発電プロジェクトを稼働させる予定である。このプロジェクトは、バージニア州リッチモンド広域圏の75万世帯にクリーンな電力を供給することができる。
- 以上の点から、予測期間中は火力発電が米国Pioweer市場を支配すると予想される。
再生可能プロジェクトの増加が市場を牽引
- 人口が多く、電力需要が日々増加していることから、同国では電力需要を満たすために再生可能エネルギーの普及を推進している。多くの多国籍企業や地元企業が、米国連邦政府の支援を受けて、この成長分野に投資している。
- 2020年現在、米国では117744メガワット(MW)の風力発電設備が設置されている。風力は16の州で電力の10%以上を供給し、アイオワ、カンザス、オクラホマ、サウスダコタ、ノースダコタでは30%以上を供給している。
- 2021年9月、ヴェスタス・ウィンド・システムズA/Sは、米国内の290MWの風力発電プロジェクト向けにタービンを納入する受注を発表した。このプロジェクトの一環として、ミシガン州のディアフィールド2風力発電所向けにV162-6.2MWタービン16基(6.0MW運転モード)とV150-6.0MW機1基(5.6MW運転モード)を供給し、同国の電力市場の成長に貢献する。
- さらに2020年11月、ニューヨーク州立地委員会はInvenergy LLCに対し、同州の3つの郡に広がる340MWのAlle-Catt陸上風力発電所プロジェクトを進める許可を与えた。このプロジェクトの投資額は4億5,400万米ドルで、年間13万4,000世帯分の電力を供給する予定である。
- 以上のことから、再生可能プロジェクト数の増加が、予測期間中の米国電力市場を牽引すると予想される。