マーケットトレンド の 北米オリーブ 産業
食生活革命によるオリーブオイル需要の急増
近年、オリーブオイルの栄養価の高さに基づく食生活革命が消費者の関心を集めている。オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸と抗酸化物質が、心血管疾患、高脂血症、高血圧の予防に役立つからである。消費者の健康志向の高まりと健康的な食生活のトレンドにより、大豆油やひまわり油などの伝統的な油に代わって、オリーブ油が好まれるようになった。オリーブオイルを多用する地中海料理の人気も、オリーブオイルの世界的な需要増加に寄与している。さらに、オーガニックや自然食品に対する需要の高まりも、オリーブ市場の成長に影響を与えている。オリーブオイルの需要は、オリーブの需要と正の相関関係があるため、オリーブオイルの世界的な需要の増加は、オリーブの増産の必要性に拍車をかけている
米国におけるオリーブオイル消費量は、2018年には364千トンであったが、オリーブオイルの消費量が搾りかすからピュア、エクストラライト、バージンのカテゴリーにシフトしたことにより、2021年には406千トンと大幅に増加した。このように、オリーブオイル消費量の増加傾向( )は、オリーブ生産量の増加の触媒として作用し、世界のオリーブ市場を牽引すると予想される
オリーブの生産で大きなシェアを占めるアメリカ
カリフォルニアは、アメリカのオリーブの大半が生産される場所である。オリーブオイルの生産地として知られる地中海沿岸諸国と気候が似ている。カリフォルニア州は、米国で栽培されるオリーブの95%以上を生産している。2021年には14,569ヘクタールで91.6千トンのオリーブが収穫された。米国の恵まれた気候条件が、オリーブの主要産地のひとつとなった
米国では有機栽培のオリーブとオリーブオイルの需要が高まっており、カリフォルニア州の生産者の多くが、この需要に応えるために有機栽培に移行している。さらに、米国はオリーブオイルの純輸入国であり、その大半はスペイン、イタリア、ギリシャなどの地中海沿岸諸国から輸入されている。米国に次ぐオリーブの主要生産国には、メキシコとカナダがある。メキシコは、オリーブオイル加工施設の拡張可能性について研究されている。したがって、この地域のオリーブオイルやテーブルオリーブの需要増加に対応するため、同国でのオリーブ生産量は多い