マーケットトレンド の 日本食品甘味料 産業
糖尿病人口の増加
- 健康志向の高まりと、ノンシュガー/低シュガーのチョコレート/菓子類への要望から、食品甘味料は近年商業的に勢いを増している。成人期の肥満は、心血管疾患、一般的ながん、糖尿病、変形性関節症など、健康状態の悪化や早期の死亡を引き起こす重大な危険因子である。その結果、人々の嗜好は健康的な低炭水化物、砂糖不使用の食事へと徐々に変化している。
- 糖尿病は日本における重大な健康問題であり、高齢者は特に発症しやすい。国際糖尿病連合(IDF)によると、日本における糖尿病関連の医療支出は2021年に約356億米ドルとなり、この病気の経済的影響の大きさを裏付けている。
- 世界銀行の報告によると、2021年には日本の人口の約6.6%が糖尿病に罹患している。この病気の主な食事要因のひとつは、多くの加工食品に含まれる高糖分であり、これが肥満の原因となり、糖尿病発症のリスクを高める。
- その結果、血糖値の管理や糖尿病発症リスクの低減に役立つ砂糖の代替品を求める人々が増え、日本では低カロリー甘味料の需要が高まっている。ステビアやモンクフルーツエキスなどの低カロリー甘味料は、日本でますます人気が高まっており、砂糖の代用品としてさまざまな食品や飲料製品に使用されている。
果糖ぶどう糖液糖が市場で圧倒的なシェアを占める
- 消費者は、味とは別に機能的な利点を提供する食品により価値を置くようになり、健康的で自然な有機シロップと甘味料の需要が増加している。さらに、天然・有機製品のトレンドの高まりが、国内における高フルクトース・コーン・シロップ(HFCS)の需要を押し上げている。
- 消費者が消費するものに対する意識を高め、量よりも質を好むようになったことで、クリーンラベルの原料に対する需要が高まっている。国連食糧農業機関法人統計(FAOSTAT)データベースによると、2021年の日本のトウモロコシ生産量は約166.5トンだった。
- 消費者が健康志向を強め、食品生産が環境に与える影響を懸念するようになったため、近年、自然食品や有機食品を求める傾向が強まっている。食品加工企業は、人工甘味料の代わりに蜂蜜やステビアのような天然甘味料を使ったり、合成保存料の代わりに天然保存料を使ったりするなど、天然・有機食品原料を製品に取り入れることでこの傾向に対応している。
- 日本では、果糖ぶどう糖液糖は、飲料、ハードキャンディー、シリアルなどに低用量で使用できるため、食品産業で広く使用されている。例えば、コカ・コーラやペプシの市場シェアは、アスパルテームの使用により激減した。そのため、企業は自社製品に果糖ぶどう糖液糖を広く使用している。以上のような要因が市場の成長を後押ししている。