マーケットトレンド の イタリア米 産業
イタリアがヨーロッパの米生産量(数量)を独占
イタリアは欧州の主要なコメ生産国で、2021年の欧州コメ生産量全体の38.6%を占め、140万トンを生産する。同国の米栽培に適した気候は、同産業における優位性の主な要因のひとつである。米の生産は北イタリアの地域に集中しており、約100の企業が関与し、1350人もの従業員を雇用し、年間売上高は約13億米ドルである
加工米の約40%は予約米で、リゾット料理などに使われる最高級品種のリゾットライスや、グルテンフリー食のパンや焼き菓子の代用品として使われる新製品、さらには寿司用の米などがある。このような新しいトレンドは、国民の米消費量の増加に有利に働き、国内の米生産を牽引している。
生産量トップであることに加え、イタリアはヨーロッパ有数のコメ輸出国でもあり、2021年には生産量の2.9%を輸出する。フランス、ドイツ、イギリス、ベルギーがイタリアの米輸出の主な目的地であり、フランスは輸出総額の22%(1億6,500万米ドル)で最大のシェアを占めている。ドイツは19.9%(1億4,300万米ドル)と僅差で続き、イギリスとベルギーのシェアはそれぞれ8.27%(5,900万米ドル)と4.3%(3,100万米ドル)と小さい。
2021年のイタリアのコメ輸出量は、世界で取引されるコメ全体の5%に達し、世界のコメ市場でイタリアが果たす役割が大きいことを示している。イタリアの米輸入国による米需要の増加が米市場を牽引しており、莫大な経済的潜在力を持つ重要な産業となっている