マーケットトレンド の グローバルファサード 産業
商業部門がファサード設置を牽引
- ファサード業界は、エネルギー効率に焦点を当てた商業ビルやオフィススペースの開発増加に牽引され、力強い成長を目の当たりにしている。今後数年間は、老朽化したオフィスビルの改修への投資が増加し、ファサード市場規模を大幅に押し上げると予想される。さらに、美観に優れた商業施設に対する需要の高まりが、特に大都市中心部におけるファサード市場の拡大に拍車をかけている。
- 景気減速にもかかわらず、商業・産業部門は著しい回復力を示しており、ファサード業界のシェアをさらに押し上げている。北米では、過去1年半の間に米国の建設部門がカナダとメキシコを上回り、同地域のファサード市場の成長に貢献している。キーストーン・トレード・センターやワシントン州ベルビューのエイト・オフィス・タワーなど、50,167平方メートルに及ぶ25階建ての大規模商業プロジェクトの建設は、北米市場におけるファサード設置の需要増加を示している。
- 同様に、欧州のファサード市場規模も、商業部門への投資が新規建設や改修プロジェクトを後押しして拡大している。欧州諸国は、商業開発においてエネルギー効率の高いファサード・ソリューションを優先しており、高性能ビル外壁の需要拡大につながっている。オフィススペースの近代化が進み、建築の美観が重視されるようになっていることも、同地域のファサード市場シェアを押し上げる主な要因となっている。

アジア太平洋地域が市場で著しい成長を遂げている
- アジア太平洋地域のファサード市場は、建設活動の増加や、外観の美観とエネルギー効率の向上に重点を置く動きにより、大幅な成長を遂げている。このような需要の高まりにより、同地域のファサード産業は世界市場拡大の主要プレーヤーとして位置づけられている。インド、日本、中国における急速な都市化はファサードの採用をさらに加速させており、革新的な建築開発がこの傾向を際立たせている。
- その代表例が中国の高さ180メートルの超高層ビル「ダンス・オブ・ライトであり、世界で最も複雑なファサードデザインのひとつを特徴とし、アジア太平洋地域の先進的なファサード産業ソリューションへの取り組みを示している。中国とインドは、急速な都市化と大規模なインフラ・プロジェクトに後押しされ、アジア太平洋地域のファサード市場シェアをリードしている。都市が拡大し、持続可能性が優先されるにつれて、高性能な建物外壁の需要が急増し、アジア太平洋地域のファサード市場規模はさらに拡大している。
- 技術の進歩と持続可能性が中心となる中、建設・不動産業界の関係者には大きな成長機会がもたらされている。同時に、アジア太平洋地域のファサード業界では、インドと日本を筆頭にファサード緑化への取り組みが急増している。こうした持続可能な取り組みは、都市のヒートアイランド現象に対処し、環境に優しい都市計画を支援する上で極めて重要である。
- グリーン・オフィス運動の高まりは、持続可能なファサードの役割をさらに強調しており、東京は環境認証を受けたオフィススペースでアジア太平洋市場をリードし、約900万平方メートルのグリーン認証オフィス在庫を誇っている。このようなグリーン・ファサードへの注目の高まりは、アジア太平洋地域のファサード市場における変革的な変化を浮き彫りにしており、同地域のより広範な持続可能性の目標と一致している。
