マーケットトレンド の カナダ風力エネルギー 産業
オンショア部門が市場を支配
- 風力エネルギーによる電力は、カナダで最も急速に成長している発電方法のひとつである。カナダは地理的に、大量の風力エネルギーを利用することができる。風力発電の導入拡大には、送電網全体のエネルギー節約、温室効果ガスや大気汚染物質(SOX、NOX、水銀など)の削減といったメリットがある。
- 2022年、カナダの陸上風力発電設備容量は1,529万5,000kWに達した。2022年に新たに追加された風力発電容量はすべて陸上プロジェクトによるものである。カナダ再生可能エネルギー協会によると、2021年には約676.6メガワットの新規風力発電が設置され、前年から大幅に増加した。
- 続いて2022年6月、Capstone Infrastructure Corporationは、その完全子会社であるWild Rose 2 Wind LPが、現在開発中のCapstoneの192MWのWild Rose 2 Wind Farmから20年以上にわたり再生可能エネルギーを供給するため、エドモントン市と78MWの再生可能エネルギー属性購入契約を締結したと発表した。
- 同国はエネルギー転換法に基づき、2030年までに電力の半分以上をクリーンエネルギーで賄う方針を掲げている。長期的な電力オークションがこの目標を支えている。カナダ政府は、民間や外国からの投資に産業を開放することで、電力市場の拡大と自由化に主眼を置いており、これが予測期間中の陸上風力エネルギー市場を牽引する可能性がある。
- したがって、稼働中の陸上風力発電プロジェクトがいくつかあるほか、計画中や建設段階のものもあり、投資と政府の政策により、カナダの風力発電市場は予測期間中に成長すると予想される。
今後の風力発電プロジェクトと投資が市場を牽引する可能性
- カナダの風力エネルギーは発電量の3.5%を占め、再生可能エネルギーの中で2番目に重要なエネルギー源となっている。オンタリオ州、ケベック州、アルバータ州は、風力発電容量で州をリードしている。2022年、カナダの風力発電設備容量は152.95万kWに達した。
- 手頃な価格で信頼性が高く、クリーンで多様な電力供給へのニーズが高まるなか、政府や全国の電力会社は風力発電を検討する傾向を強めている。同国の比類なき風力資源により、風力エネルギー開発の経済的・環境的利益を最大化する機会は十分に存在する。
- カナダ再生可能エネルギー協会によると、2022年8月現在、カナダでは全国で317の風力発電プロジェクトが発電を行っている。最大の風力発電所はアルバータ州ヴァルカン郡にあるブラック・スプリング・リッジで、166基の風力タービンがある。今後10年間で約39の陸上および洋上風力発電プロジェクトが計画されており、プロジェクト総額は160億米ドルにのぼる。
- 同国は、国境を越えて新規プロジェクトの機会と候補地を探し続けてきた。ここ数年、アルバータ州は投資家にとって魅力的な市場として浮上し、2030年までに風力エネルギー・プロジェクト開発への投資が約83億米ドルに達すると見られている。アルバータ州以外では、サスカチュワン州が2030年までに再生可能エネルギー容量を50%増やすことを目指しているため、巨額の投資が見込まれている。
- 2022年10月、アルバータ州オイエンの特別地域3にあるランファイン風力発電プロジェクトは最終建設段階に入り、風力タービンが吊り上げられ最終位置に設置され、ローターにブレードが取り付けられた。この新しい施設は2023年に稼働する予定である。このプロジェクトの投資額は約2億5,312万米ドルである。
- 従って、このような要因が予測期間中のカナダ風力エネルギー市場を牽引すると思われる。