マーケットトレンド の ベースオイル 産業
市場を支配するエンジンオイル・セグメント
- エンジンオイル分野は、自動車、電力、重機、金属加工、化学など様々な産業からのエンジンオイル需要の増加により、ベースオイル市場を支配している。
- エンジンオイルは、内燃エンジンの潤滑に広く使用されている。一般的に、エンジンオイルには約7%から10%の添加化学物質が含まれており、残りはベースオイルとなっている。
- 酸化安定性、デポジット防止、摩耗・腐食防止などの特性は、さまざまな基油と添加剤を使用してエンジンオイルを形成する際に考慮される重要な要素である。高燃費エンジンオイルは、オイル漏れを防ぎ、オイル消費量を削減する特性があるため、最近需要が高まっている。
- さらに、ビジネス慣行におけるさまざまな投資や開発がエンジンオイルの需要を高めており、これがベースオイルの市場を押し上げる可能性がある。例えば、2023年4月、Brakes India社は、Reviaブランドを通じて潤滑油分野に参入すると発表した。この新ブランドにより、同社はエンジンオイル分野への多角化を図り、乗用車と商用車の両セグメントに対応する。
- さらに2023年3月、エクソンモービル・コーポレーションは、ライガドにあるマハラシュトラ工業開発公社のイサンベ工業地区に潤滑油製造工場を建設するため、約9億インドルピー(1億1,000万米ドル)を投資すると発表した。新工場では年間15万9,000キロリットルの完成品潤滑油が生産され、2025年までに商業運転が開始される予定である。
- さらに2023年2月、シェルPLCは乗用車用モーターオイルのポートフォリオであるShell Helix SP HX8 0W-20の発売を発表した。同社によると、この製品は完全化学合成のBS VI対応エンジンオイルで、ターボチャージャー付きガソリン直噴(TGDI)エンジン用に設計されており、有害な低速域でのプレイグニッション(LSPI)から保護する。同社はまた、排出ガスやエンジン設計の変更を抑えながら、車両の燃費を向上させるとしている。
- 自動車部門からのエンジンオイルの需要は、ベースオイル市場を強化すると予想される。OICAによると、世界の自動車販売台数は2022年の8,287万台に対し、2023年には9,272万台に達した。
- したがって、前述の要因は、予測期間にわたってエンジンオイル・セグメントにおけるベースオイルの成長に影響を与えると予想される。

アジア太平洋地域が市場を支配する
- アジア太平洋地域が世界市場を支配すると予想されている。中国、インド、日本、韓国などの国々で様々な分野での潤滑油消費が増加しているため、この地域では基油の使用量が増加している。
- 国際貿易局が発表したデータによると、中国の自動車用潤滑油需要は2026年に51億9,000万リットルに達し、2021年から26年のCAGRは5.41%を記録すると予想されている。これが同国の基油需要を牽引すると予想される。
- 同様に、国家統計局が発表したデータによると、2024年3月の中国の工業生産高は前年比4.5%増であった。2023年9月から2023年12月にかけて製造業、公益事業、鉱業部門の操業が鈍化したため、工業生産高全体の前年同月比成長が制限された。
- インドでは、自動車人口の堅調な伸び(2023年の自動車販売台数は前年比12%増)と産業活動の活発化(2024年2月には年率5.7%増)が、予測期間中の基油需要を牽引すると予想される。
- さらに日本では、さまざまな大規模潤滑油メーカーが国内の基油需要を満たすために長期供給契約に依存している。例えば、2023年10月、出光興産株式会社(以下「出光興産という。例えば、出光興産は2023年10月、III族基油の長期安定調達を確保するMoUを締結した。
- その結果、上記の要因は予測期間中、アジア太平洋地域の基油市場に大きな影響を与えると予測される。
