マーケットトレンド の テラヘルツテクノロジー 産業
防衛・安全保障分野が主要市場シェアを占める
- 今日のセキュリティ環境では、隠された武器や身体に装着した爆発物などの脅威を識別する能力が、運用上の強いニーズとなっている。近年、隠された爆発物の画像化が重視されるようになったため、テラヘルツ技術への関心が高まっている。
- テラヘルツ技術の特徴の一つは、障壁の背後に隠された物体を検出・識別する能力である。空港やその他のセキュリティ上重要な場所では、セラミックナイフやプラスチック爆弾のような危険な非金属物質をテラヘルツビームで検出できるようになった。テラヘルツ波は衣服は透過するが、皮膚は透過しない(水分を含むため)。
- さらに、金属探知とX線バッグスキャンは時間のかかるプロセスである。移動の多い公共交通機関のハブの場合は、さらに難しくなる。したがって、潜在的な発生源から離れた場所でもセキュリティ・チェックを実行できる技術的ソリューションが必要とされている。テラヘルツ・テクノロジーは、セキュリティ・チェックのために立ち止まることなく、多くの人をスキャンすることを可能にし、それによってこれらの課題に対する解決策を提供する。
- また、テラヘルツ波よりも強い出力が得られ、指向性も高いため、幅広い分野での技術革新や製品開発に貢献し、テラヘルツ波を利用した産業や社会の発展に寄与する。テラヘルツ波センサーが考えられる軍事的用途は、敵陣後方に孤立した人員の検知、標的の固定、精密兵器の端末誘導など、情報・監視・偵察(ISR)用に幅広い。
- 非戦闘環境では、THzは、現在またはかつての戦場にあるプラスチックまたは最小限の金属地雷の検出に役立つ可能性がある。ほとんどの対人地雷は金属とプラスチックが組み合わされている(そして金属探知機による検出を避けるように製造されている)。現在の地雷探知技術には、土壌温度の分析が必要である。土壌温度は3次元で測定され、その後、信頼性の低い大まかな推定を行う面倒なソフトウェア・アルゴリズムに投入される。この検出技術には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)技術が使われている。テラヘルツ分光イメージングは、適切な条件下でほぼすべての物質を比較的高い信頼性で検出できるため、FPGAに代わる論理的な選択肢のひとつである。