マーケットトレンド の クウェートの果物と野菜 産業
国内需要を満たす青果物の輸入
同国の耕地面積は約10,600ヘクタールで、国土面積の約0.6%である。この国内生産能力は、増大する果物や野菜の需要に応えるには不十分である。クウェートはGCC地域で2番目に人口の多い国で、平均人口増加率は3.5%である。同地域の土壌は有機物を多く含む軟弱なもので、養分保持能力が低く、保湿性にも乏しいため、政府は果物や野菜の国内生産能力が低い。灌漑に必要な天然水資源はごくわずかで、使用される水のほとんどは電力を大量に消費する海水淡水化プラントからのものである。電力に対する補助金がないため、国内の農家はそのコストを負担できない
このように、クウェートの農業部門は、厳しい気候条件と脆弱な水・土壌資源により、大きな課題に直面している。そのため、同国は主に果物や野菜の輸入に頼っている。米国、レバノン、インド、南アフリカが同国への果物の主要輸出国である。ITCの貿易地図によると、2021年の同国の果物の輸入量は全体で4万9,227トンで、米国が29.1%、レバノンが17.3%と大きなシェアを占めている。さらに、インド、ヨルダン、レバノン、エジプトが同国への野菜の主要輸出国である。したがって、同国における果物や野菜の需要の増大と、あまり有利でない栽培条件が輸入市場の可能性を生み出し、予測期間中、同国の市場をさらに牽引すると予想される