マーケットトレンド の ヨーロッパの飼料用抗生物質 産業
動物性プロテインの需要増
家畜の抗生物質使用による人間の抗菌剤耐性に関する世界的な懸念が高まっているにもかかわらず、食肉消費量は年々増加している。経済協力開発機構(OECD)によると、ロシアでは鶏肉の消費量が最も多いと記録されている。2016年の鶏肉消費量は29.5Kgで、2019年には31.7Kgに増加している。政府は抗生物質の使用を監視・規制するため、厳しい規制に従っている。2018年、欧州議会は抗生物質入りの薬用飼料の予防的使用を禁止する新たな規則を定め、メタフィラキシー的使用、すなわち1頭が感染した場合にその群全体を治療することは、感染拡大のリスクが高く、適切な代替手段がない場合にのみ許可されることになった。また、抗生物質を含む薬用飼料は、適切な健康診断と診断の後、獣医師の処方箋があれば許可される

飼料生産の増加が市場を牽引
飼料添加物として抗生物質を定期的に使用することで、病気のリスクを減らし、栄養摂取効率を高めることができる。抗生物質の使用によって得られる効率の向上は、飼料の量を減少させる。国連食糧農業機関(FAO)によると、2016年のこの地域の牛と水牛の生息数は1億2,197万頭であったのに対し、2018年は1億1,979万頭であった。また、家禽類は2016年に2億4,168万羽であったが、2018年には2億4,705万羽に増加している。このように、人口の増加と健康への懸念は、抗生物質を含む高品質の飼料への需要を生み出している。欧州飼料製造業者連盟(FEFAC )によると、2018年、同地域の畜産動物用工業配合飼料生産量は、2017年より1.8%多い1億6,330万トンと推定される水準に達した。さらに2018年には、ドイツ、スペイン、フランスが、それぞれ2,384万トン、2,425万トン、2,084万トンと、配合飼料総生産量の主要3カ国であり続けた。ドイツは700万トンと950万トンを生産し、牛と豚の飼料生産のトップである。一方、フランスは860万トンを生産し、家禽飼料生産のトップの座を維持している。家畜生産の増加と飼料生産の増加は、飼料用プレミックス市場を牽引するだろう
